Is it me, perhaps?
実は初個展でした
こちらは2008年10月に行われた展示
「Is it me, perhaps?」についての作品解説です。
is it me, perhaps?
子供の頃、 「ハンカチ落とし」という名の遊びをしました。
鬼が自分の後ろを通過する度に、手探りで
自分の所にハンカチが落とされていないか確認するスリル

次は自分なんじゃないかとドキドキしながら探すのですが
見つけた瞬間はかなりテンション上がりますよ。
逆に無かった時のスカスカ感は意外とむなしく

大人になった今やってもきっと面白いと思うのに
この歳になるとなぜかもうあんまりしませんね。

そこで今回、私はハンカチ落としのあのスリルを
大人になっても味わえるような作品を企画してみました。
作品の題名は「Is it me, perhaps?」


もしも「おはよう、今日はいい天気ね」とはにかみながら
声をかけてきた、友人や同僚のTシャツの胸に
「I Love You.」と書かれていたら

「コーヒー、ミルク使わないんでしたよね?」と微笑むウェイトレス
何の気なしに彼女のTシャツに視線を移した瞬間、
「I Love You.」という文字が目に飛び込んできたら

あなたはきっと思うはず。「これって、もしかして自分のこと?」

果たしてハンカチを落とされているのは、あなたなのか?誰なのか?
それとも、実はまだハンカチは鬼の手の中にあるのかも知れません。

日常にスリルを仕掛けるちょっとしたいたずら。
作品というより、いたずらのような。
作品と作品のできるまで
この作品は、ハンカチ落としで、鬼がハンカチを持って回っている時の
緊張感を変換し、日常生活の中に出力してみたものです。

その仕組みは、今回のために制作されたtシャツを着て人に会うこと、
もしくはこのTシャツを着ている人に会うことで作品が成り立ちます。

tシャツの胸には「I Love You.」と書かれています。
差し向かいになる人すべてに愛の告白を意識させてしまうこのTシャツ。
その言葉は、ただのTシャツのプリントに過ぎないのか?
もしくは誰かに向けられたメッセージなのか?
メッセージだとすれば、一体誰に宛てたものなのか?
もしかして、その相手とは他でもない、この…?

ハンカチ落としで、鬼は無差別攻撃を装いながらも
確実に標的に狙いを定めている事を、誰も忘れてはいないように
つい相手の胸に大きく書かれた「I Love You.」の矛先を探ってしまう、
さらに、それが自分ではないかという可能性を勘ぐってしまう、
そんな人間の心理が作品の鍵となります。

これを着る事で、普段なにげなく会っている人たちとの間に
いつもとは違う緊張感や距離感が生じてくるのを
鑑賞者の皆様が身をもって体験していただければ幸いです。


ところで、ハンカチ落としの時、鬼になったあなたは
手に持ったハンカチをお気に入りのあの子に落とそうか、どうしようか
迷ったことはありませんか?

また、鬼が自分の好きな人物だった場合には
自分に落としてくれないかなぁと思ったり
あまり好きじゃない人物から落とされたときは
さほど嬉しくなく感じたり

ハンカチ落としのハンカチは、
好意と同義の意味を含んでいるように思えます。
そういった要素も、いつ誰が落とされるかわからないという緊迫感に
一層の効果を与えているのかも知れません。

この作品のために選んだ「I Love You.」という言葉には
好意という、このゲームの隠された醍醐味が込められています。
いまや手軽に鬼になれる時代
幼少期、なかなか鬼の役が回ってこなかったあなたも
なんと このTシャツを着るだけで鬼の気分が味わえます

ハンカチ落としで一番楽しいのって、実は鬼なんですよね
10月に展示をします ◆ 終了しました
2008年10月11・12・13日の3日間、石川県金沢市にある
deux egg gallery にて展示をいたします。(11:30~19:00)
こちらのギャラリーは1FがFULL OF BEANSというカフェになっており
今回はこちらの方々にもご協力いただくことができました。

1Fのカフェでは、スタッフの方に鬼役を受けもってもらい
Tシャツを着て実際に接客をしていただきます。

彼女たちの胸の言葉は一体誰へ向けたものなのか、
思いを馳せに行くのもいいのではないでしょうか?
ひょっとすると、それはあなたかも知れませんから…

また、2Fのギャラリーでは スライドによる、Tシャツ使用例の写真展示や
インスタレクリエーションを用意してお待ちしております。

直前に関連イベントが発表されることもございます。
足をお運びの前にはこちらのウェブページを
ご確認くださる事をお勧めいたします。

それでは、みなさまお誘いあわせの上
ぜひ「Is it me, perhaps? 」を体験しにいらして下さい。

k-plat-extensionロゴなお、今回の展示は金沢アートプラットホーム2008
関連企画K-Plat-extensionに参加しています。
またひとつ旅が終わり
deux egg galleryでの展示も無事終了しました。

会場に見に来てくださった方、
ハンカチ落としに参加してくださった方、
deux egg galleryとFULL OF BEANSのスタッフの方、
そしてスライド作成に協力してくださった方、
皆様本当にありがとうございました。

金沢という場所柄か、旅行中の方と
お話しする機会が多かったのが印象的でした。
この展示が、金沢での旅の思い出のひとつに
刻まれたらいいなぁと思っています。

撤収の後、荷物を背負って金沢の街を歩いた時に
約8ヵ月前に初めてこの土地に降り立った夜の
事がなぜか急に思い出されてきてなりませんでした。

あの時の私は旅行者気分で、金沢は
ポツンと訪れた遠い街でしかありませんでしたが
その土地で展示を、しかも初個展をするなんて、
運命ってほど大げさでもないですけれど、とにかく
めぐり合わせとは不思議だなと思います。

見ず知らずの私と、いきなりハンカチ落としや
トランプをやることになった方々にも、そんな奇妙な
めぐり合わせが働いていたのかも知れないと考えると
やっぱりつくづく不思議です。

そして、そのめぐり合わせを平然と作り出してしまう
美術こそ本当に不思議な存在だったりして。

さて、展示が終わって私も、旅をひとつ終えた気分です。
そしてまだまだ終点は遠いようです。
ふと思い出したら、またこのページを覗いてみてください。
次の何かのお知らせをしているかもしれません。


あと!展示会場の画像、ようやくアップしました。

ギャラリーでは、スライド投影の周りに
小さなライトボックスでスライド実物も配置しました。

また、DMにも登場したトランプで
インスタレクリエーションを行いました。
このトランプの詳細については、
次回の展示で実際に体験してみてください。
(会期は未定です。場所は東京を予定しています。)

最後の一枚は最終日のハンカチ落としの様子です。

クリックすると、別ウィンドウで大きい画像が見られます。
尚、拡大できるのは展示風景のみです。下のスライドはクリック
できません。なにとぞご了承ください。












スパムに気をつけろ!
tシャツご希望の方がいらっしゃいましたら、一度声を掛けてみて下さい。
あいにく現在、品を切らしておりますが
ご要望の声の数によっては再版も可能です。
その他、ご意見、ご感想、叱咤、激励、などいただけると幸いです。
そちらも併せまして、ご連絡はメールアドレス
isitme◎galaxus.org
までお願いします。

大変ご面倒ですみませんが、迷惑(スパム)メール防止のため
メールをお送りいただく際は上記アドレス中の◎を@に
打ち直してから送信下さいますよう、なにとぞよろしく申し上げます。
ハンカチ落としのルール
参加者はできれば最低10人は居るといいです。
鬼以外は全員、輪になって地べたに座り、輪の中心を向きます。

輪の外側を鬼はハンカチを持って回り
選んだ一人の後ろにこっそりとそのハンカチを落とします。
ちなみにハンカチは軽く結わいてあるほうが着地がいいです。

座ってる人は後ろを向けず、手探りだけで自分の元にハンカチが
落とされていないか調べます。

落とされた人がハンカチに気付けば、そのハンカチを拾って
鬼を追いかけます。

鬼は追いつかれないまま一周して、落とされた人が
それまで座っていた空席に無事収まれば成功。
次は、その人が鬼になります。

鬼が追いつかれてしまったり、落とされた人が鬼の一周する間にハンカチに
気付かなかったりすれば罰として輪の真ん中に座らされ
次に真ん中に座ることになる人が出るまでゲームに参加できません。

top of galaxus exhibition ceramics
copyright (c) 2008 galaxus, all rights reserved.